(きーすとーん72号より抜粋)
    追憶の建物たち 2015

水島家 元牧舎(2002年撮影)
旧大黒屋製菓 石蔵(2015年撮影)


●水島家 元住宅・元牧舎(東区伏古9条3丁目)
一年前のこの記事の最後に、「どうなる、伏古のM家の煉瓦建物群」と記したが、3棟あった いずれも昭和初期築と伝わる建物中 2棟が、昨年2月に取り壊しとなった。詳しくは、当会代表のブログ『札幌時空逍遥』(2015年2月28日、3月1日)で。なお、残った1棟は、現役で再利用されている。

●旧大黒屋製菓 石蔵(中央区南9条西10丁目)
大黒屋製菓の工場「札幌製菓所」の倉庫として大正時代に建てられ、昭和30年代から平成10年頃まで松竹映画のフィルム倉庫、平成13年からは『パリ16区』、平成21年からは『カフェ・マール』として活用された。 5月中旬までに取り壊し。 100年に近いその石蔵生命のうち、大部分を菓子店として札幌っ子を楽しませてくれた。 カフェ・マールの経営者がブログで、「ありがとう、石蔵」と、きちんとお別れを述べていた。 まったく、同感。ホントに本当に、ありがとう石蔵。

●中川ライター店〈中央区南3条西4丁目〉

中川ライター店 (2015年撮影)

 アーケードのある商店街の中にあったので、その建物の全貌こそ分からなかったが、札幌市内でも老舗中の老舗だった中川ライター店。 狸小路4丁目に移って来たのが昭和23年というから、築60年以上の建物だったのかもしれない。 ところ 狭しと 並べられた模型や高級喫煙具に思い出を持つ方も多いだろう。1月12日閉店。
ここ数年の狸小路の変貌は、にわかには信じがたい感もあるが、札幌っ子よ、電停「狸小路」もできたことだし、狸小路の良いところを探しにいこう。 海外からのお客さまと一緒に街を歩いてみよう。 昭和25年からの歴史ある“現金つかみ取り”のイベントが復活するよう、市民の声を届けよう(…私の切なる願い?)。

北12西4 H宅 (20013年撮影)

−このほかに、テイセンボウル閉鎖(6月30日)、札幌第一号だった歩道橋(豊平区)撤去(11月1日)。地下鉄南北線「北12条」駅南西角にあった蔦のからまる住宅、JR「琴似」駅西側にあった元日通の建物、北13条大橋のたもと(東区本町1−11)のお屋敷も姿を消した。
厚別区、東区、白石区、中央区で銭湯が閉湯。そして、京王プラザ横のお屋敷I邸の取り壊しが終了。 
 某 NHK番組の影響もあってか、「まちあるき」という言葉がすっかりおなじみになった。 札幌建築鑑賞会的視点でまちを歩くと、今まで見えなかったものや歴史が見えてくる。
 さあ今年も、アンテナ立てて目を見開いてまちを歩こう!!
                中村祐子(札幌建築鑑賞会スタッフ)  ※写真:札幌建築鑑賞会

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