(きーすとーん69号より抜粋)
大人の遠足「秋の編」報告
  探検・発見!東創成・・・モノづくりの町めぐり

札幌の街づくりは 明治の初め、現在の南一条通と創成川を基軸として進められました。 周辺地域は 近年 変貌が著しいものの、今も そこかしこに 開拓の歴史がひっそりと息づいています。 10月25日・26日に開催された「大人の遠足・秋の編」は、かつての“モノづくりの町”がテーマ。 二日間で計68名が参加し、しばしの時空散歩を楽しみました。

屋根の雪止めや建物の梁の一部に
木製電柱を再利用した鋼材店倉庫
アウトドアシヨップの妻壁には今も
かっての老舗銘木店の屋号が・・・
「昭和レトロが逆に新鮮」と若者の
新名所になりつつある南4西1界隈

▼ 福本商店のトタン屋根に置かれた丸太の雪止め(木の電信柱!)の感動から始まった大人の遠足。 36号線を通るたびに、「何だろう?」と気になっていた青色斜線の建物が竹山食品とわかり、スッキリしました。 そして地元で作られていたという「カニタシャッター」は貴重な情報で、街なかでシャッターを見かけると、ついプレートに注目してしまいます。〈M氏〉

▼50歳で札幌の住人になり、70歳で長かった勤め人に終止符を打ったとき、この街をもっと知りたいと『札幌の文化財をたずねる写真集』を一人で作り始め、十数年を掛けて ようやく一段落させました。 今回、遠足で歩いた場所も何度か訪ねていたはずですが、こうして主催された方たちの うん蓄を傾けた話を伺いながら歩くと 新しい発見の連続で、また違った世界に引き込まれて行く感じでした。 カニタシャッターの話、今も残る銭湯跡の男子用入口の表示など、よく調べられたものだと感心しました。 老いの身で あと何回一緒に歩けるかわかりませんが、ぜひ長く機会を与えてください。 体力の続く限りついていきたいと思っています。〈T氏〉

▼とても意義深い一日でした。 今年8月まで南4条東3丁目の老人マンションに母が暮らしており、東札幌のわが家より通った、通った…。 でも いつも直行直帰で、界隈のことは何も知りませんでした。 

軟石の袖壁創業120余年の
食品加工会社のシンボル?!

北海寺の本堂、頓宮様の狛犬や 裏庭にひっそりとたたずむ見事な彫刻の燈籠、博物館のようなフレッシュジュースの店…。 さまざまな歴史を集約している街の証人たちがいたのですね。〈A氏〉

▼生まれも育ちも札幌でありながら 文化・歴史・建物などには殆ど興味を持たず過ごしてまいりましたが、新聞で札幌建築鑑賞会の記事を読んで 急に懐かしさが込みあげ、初めて参加させていただきました。
 私は豊水小学校を卒業、すすきの近辺に住んでおりました。 遠足では子ども時代に過ごした想い出の場所も数多くあり、懐かしさとともに 終戦後に幾多の苦労を乗り越えたことなどもよみがえりました。 タイムスリップしたかのような 楽しいひとときでした。〈M氏〉

明治期に農具鍛冶を営んだ商店の蔵が
人気のジュース屋さんに大変身
酒ミュージアムで至福のひととき!

▼古い石蔵が 若い方たちの発想力でモダンに生まれ変わる…なんてステキなのでしょう。 あまり協力できないので(?)、せめてフレッシュジュースを飲みにいこう!〈K氏〉

▼面白い古地図と資料を手に 説明を受けながら訪ね歩いた まちは 札幌軟石などの古い建物たちが いくつか健在で、喜びを味わうことができました。 北海寺では、宮大工や仏師の技術の高さに驚かされました。どれだけの人が手を合わせ、感動されたことでしょう。 もう一度ゆっくり足を運んでみたく思います。

札幌の地酒{千歳鶴}の醸造所を見学


 また、女流作家 森田たまの生家跡にて、随筆の「春さきの一夜、突然激しい水音に驚かされて夢を破られることがある…豊平川の凍った水が一時にとけて滔々と流れ出すのである」(資料の要約)より、川から離れているにもかかわらず水音が聞こえたとは、明治の頃はどれほどの静けさだったのだろうと、当時の豊平川周辺の様子を思い浮かべ、歴史の歩みを感じています。〈S氏〉

※ 掲載の感想文は原文から一部抜粋、また要約させていただきました。
※ 今回のおもな見学ポイント = 福本商店、パタゴニア、南4西1界隈、竹山食品、計良質舗、二条市場界隈、MUSEUM、LITTLE JUICE BAR、北海寺、日本清酒丹頂蔵、酒ミュージアム、北海道神宮頓宮、T宅(森田たま生家跡)ほか。

 

 

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